小学館ビル/Café Lish

出版の地に、
創造を育む拠点を。

震災を契機に、生まれ変わった「小学館ビル」

2011年の東日本大震災は、耐震に対する社会の意識を大きく変える契機となりました。震災後に実施した耐震診断の結果、1967年竣工の旧小学館ビルは、現在の基準に対して耐震性能が不十分であることが判明。耐震補強の可能性も検討されましたが、小学館全体が一時的に移転できる規模の空室が近隣に確保できる状況を受けて、建て替えが決定されました。その結果、46年間にわたってグループを支えてきた旧小学館ビルは、2013年9月にその歴史に幕を下ろし、2016年9月、最新技術を備えた新しい「小学館ビル」として生まれ変わりました。

新しい小学館ビルでは、1階床下に免震装置を備えた中間免震構造を採用しました。3~10階事務室の無柱空間の床組みには、順梁・逆梁を交互に組み合わせた凹凸スラブを採用し、限られた階高の中で最大限の天井高を確保。その凹凸スラブを利用した躯体蓄熱放射冷暖房システムと外断熱構法により、省エネルギー性と快適な執務空間を両立しました。建物の外観は、「出版界という海に漕ぎ出す帆船」をイメージしてデザインされており、グループの個性を感じさせる造りになっています。

小学館不動産の果たした役割

小学館不動産は、本プロジェクトにおいて、旧社屋の解体から新社屋の設計・建設に至るまでの全工程を通じて、プロジェクトマネジメントを担いました。具体的には、関係各所と綿密に連携・調整を行いながら、工事スケジュールや設計仕様の確認、施工会社との調整までを一貫して実施しました。さらに、新社屋建設のために組織された「新社屋建設委員会」に参画し、アンケートなどを通じて集められた現場で働く社員の声を丁寧に吸い上げ、働く上での要望や改善点を設計に反映しました。こうした取り組みにより、社員のニーズに即した快適で機能的なオフィス空間の実現に努め、新社屋の完成まで責任を持って推進。小学館およびグループ各社が安全な環境で安定的に事業を運営し、将来にわたって持続的な成長を実現できるよう、確かな基盤づくりに貢献しました。

“場”をメディアに――コンテンツと触れ合うカフェ「Café Lish」

2023年8月、小学館ビルの1階に「Café Lish(カフェ リッシュ)」がオープン。ほうじ茶で炊いたライスを使用した「神保町ハヤシライス」や自家焙煎のコーヒーなど、素材と味にこだわったメニューが好評を博しています。さらに、『ドラえもん』をはじめとする人気作品との期間限定コラボメニューも提供。作品の世界観を感じられる体験を通じて、大人から子どもまで幅広い層が楽しめるカフェになっています。運営は、キャラクターカフェの運営やプロデュースを行うボンディッシュ株式会社が手がけ、「遊び心」や「多様性」を表現し、地域に根付く文化創造の「場」を目指しています。